大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和25(あ)1365 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人河和松雄の上告趣意は末尾添附別紙記載のとおりである。

論旨第一点に対する判断。

所論の点に関しては既に当裁判所大法廷の判例があり、原判示の如き場合は違法

でないとして居る(昭和二五年(あ)第三五号同年一二月二〇日判決)従つて論旨

は採用に値しない。

同第二点に対する判断。

所論犯罪事件調査顛末書は税務官吏が犯則の有無を調査する為のもので、該調査

の結果税法違反の犯罪行為ありと思料するときは検事に告発を為し、その告発に基

いて検察官の犯罪捜査が開始されるのであり、収税官吏自身が司法警察官として捜

査を為すものではない、収税官吏は犯罪の捜査を為すものでもなく、司法警察員と

同一の権限を有するものでもない。それ故右書類が捜査の段階において作成された

書面なりとする論旨は当らないし、所論札幌高等裁判所の判例は右調査顛末書の性

質に関して何等判示して居るものではないから判例違反を主張する論旨は当らない、

論旨は結局単なる刑訴法上の主張に過ぎず刑訴第四一一条適用の問題にもならない。

同第三点に対する判断。

原審は第一審判決に「犯則事件報告書」とあるは「犯則事件調査顛末書」の誤記

であると判断し、なお右犯罪事件顛末書については「右書面を原審の行つた証拠調

を経て」云々と判示し居り、証拠調を経たものと見て居ること明である、従つて原

審が証拠調を経ない証拠を証拠に採つても違法でない旨の判断をしたものでないこ

と勿論であり、原審は何等所論の様な判例違反の判断をしたものではない、それ故

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論旨は理由がない。

同第四点は違憲の語を使用して居るけれども実質は単なる刑事訴訟法上の主張に

過ぎず適法の上告理由とならない。

同第五点に対する判断。

論旨は結局原審の適法な量刑に対する非難に過ぎず上告適法の理由とならない。

(論旨の様なことが憲法第三六条違反にならないことは昭和二二年(れ)第三二三

号同二三年六月二三日大法廷判決、昭和二三年(れ)第二八一号同二五年二月一日

大法廷判決等に徴して明である。)

よつて刑訴四〇八条、一八一条に従い裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決

する。

昭和二七年五月一三日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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